- 2026年1月23日
家で診てもらう、という選択

「訪問診療(往診)」という言葉、聞いたことはありますか?
名前は知っていても、「寝たきりの人が受けるもの」「最期が近い人の医療」というイメージを持たれている方も多いかもしれません。
でも実は、訪問診療はもっと幅広い方が対象になります。
今回の内容は訪問看護で働いていた経験を元に訪問診療がどのような方に必要なのかを紹介していきたいと思います。
訪問診療ってどんな人が当てはまるの?

一般的には、次のような方が訪問診療の対象になります。
・足腰が弱く、通院が負担になってきた方
・認知症があり、外出や待ち時間が難しい方
・難病や慢性疾患があり、体調の波が大きい方
・ご家族が仕事や育児で通院の付き添いが大変な場合
・病院には行けるけれど、「行くまで」が大きな負担になっている方
「まったく動けない状態」でなくても、
“通院がつらくなってきた”と感じた時点で、十分に相談の対象になります。
訪問看護をしていて感じてきたこと
私はこれまで訪問看護の現場で、多くのご自宅を訪問してきました。
そこでよく聞いたのが、
「もう少し早く相談すればよかった」
「こんな選択肢があるなんて知らなかった」
「ギリギリまで通院を頑張ってしまった」
という声です。
ご本人もご家族も、「まだ大丈夫」「もう少し頑張れる」と無理を重ねてしまい、
結果的に体調を崩したり、生活が一気に大変になってしまうケースも少なくありません。
そのため、訪問看護で働いていた時は目の前の問題解決だけでなく、先を見据えて持続可能な在宅療養の方法を考え、みんなが納得できるサービスや環境を提供できるように訪問診療やケアマネージャーさん等々の他職種と連携できるように調整役として意識していました。
在宅での療養生活を継続するためには本人だけが満足するのではなく、一緒に暮らす家族も満足する形でなければ難しいと感じています。
自宅で提供できる医療も進歩している

自宅にいながら診察を受けられるオンライン診療やコンパクトな医療検査機器の普及など、医療技術の進歩により、自宅で受けられる医療の範囲は幅広くなってきています。
訪問診療は、“最終手段”ではなく、
生活を続けるための医療の形のひとつだと感じています。
家で診てもらうことで変わること、医師が定期的に自宅に来ることで、
・体調の変化に早く気づける
・移動や待ち時間の負担が減る
・ご家族の付き添いの負担が軽くなる
といったメリットがあります。
「病院に行く医療」から「生活の中にある医療」へ切り替えることで、
日常が少し楽になる方も多くいらっしゃいます。
迷ったら、まずは相談してください

「うちの場合は対象になるのかな?」
「まだ早い気がするけど…」
そんな段階でのご相談で、まったく問題ありません。
訪問診療を始めるかどうかは、話を聞いた上で一緒に考えていくものです。
困ったとき、迷ったときに相談できる場所として、気軽に声をかけていただけたらと思います。